北朝鮮が崩壊しない理由について

 檀君神話というのがある。高麗という国が朝鮮半島の正統な国であるということを証明するための神話である。これが成立したのが元によって痛めつけられた時代で、それを跳ね返す、その根拠となっている。首都がピョンヤンである。諸外国に散らばった朝鮮民族の統合の指針になっている。

 北朝鮮と韓国、どちらが政治的主導権を握っているかというと、歴史的正当性が問題となる。これは朱子学の基本である。日本の場合、光圀のまとめた大日本国史で幕府より天皇が正統とされた、また、北朝より南朝が正統とされた、これが近代日本の政治の混乱の原因となっている。同様のことが朝鮮・韓国でも生じているが、これに気が付いている人は少ない。

 韓国では「若者が北朝鮮にシンパシーを感じる人が多い」と韓国の為政者が嘆く。それは韓国の歴史教育に原因がある。ピョンヤンを首都とする檀君神話を正統な神話として、歴史として学校の教科書で教えているから、若者が北朝鮮にシンパシーを感じるのである。

 韓国は別の神話を探さないと北に負ける。その別の神話とは「ローマ文化王国ー新羅」である。これは日本の学者・由水常雄の説である。新潮社から平成13・2001年に出版されている。

 当たれば直観、外れれば妄想の世界だが、慶尚道を拠点とする韓国であるから一考に価すると思っている。