桶狭間の嘘・フィクションについて

 5月15日は織田信長桶狭間今川義元を討ち取った日である。だが、これに関する一連の物語は嘘・フィクションであるという。信長の側近が書いた「信長公記」を元に江戸時代になって小瀬甫庵が「甫庵信長記」で面白く話を脚色した。この本の序文を書いたのが林羅山だった。

 これを明らかにした人物は藤本正行という人で、昭和57・1982年のことである。彼は「物」にこだわる歴史研究家である。講談社学術文庫「信長の戦争」藤本正行に詳しい。

 私は歴史が好きで、NHKテレビ・鈴木アナウンサーの番組は欠かさず見ていた。彼は東海道新幹線・試運転・生中継を担当した。当時、彼の頭髪は剛毛で房々していた。歴史番組で「武功夜話」登場を華々しく紹介していたのだが、この「武功夜話偽書だった。

 これを証明したのが藤本氏で鈴木真哉氏との共著が出ている。私はこの本を読んで、桶狭間の嘘を知った。