クモ膜下出血という病気について

 大阪の漫才師に「ミスワカナ」という人が居た。森光子が「おもろい女」としてお芝居にしている。芝居では西宮球場で「クモ膜下」で倒れたことになっているが、本当は西宮北口という阪急の駅だった。36歳という若さだった。(ヰキペディアでは心臓発作になっている)

 ミスワカサの漫才をテレビで見ていたら母から「昔な、ミスワカナという人居てな、面白かったで」と何回も聞いた。その録音をラジオで聞いたことがある。ラジオ深夜便で、夜中の2時過ぎだった。その日は母の命日(8月28日)で、後から気づいたのだが、母が息を引取った時刻だった。

 テレビ神奈川の「サクサク」木村カエラちゃんがMCをしていた頃、スタッフにゴイゴイご意見番)さんという人が居た。彼も35、6で死んだ。「クモ膜下」だった。野球の木村拓也も「クモ膜下」だった。

 脳の動脈に動脈瘤が出来ていてそれが破裂する。生まれつきでそれが何時破裂するか?

 家内は脳幹の上の部分だった。破裂して出てきた血液は脳幹を直撃、心臓も呼吸も止めてしまった。緊急の電気ショックで心臓は動いたが呼吸は人工呼吸だった。病室に入って人違いであることを願っていたが本人だった。

 もう死ぬ事は確定している。心臓が止まるのが、3日後か? 1週間後か? それは次の日に訪れた。

 私と娘と婿殿と3人でその死亡確認に立ち会った。心臓が止まっても呼吸は続いていた。人工呼吸だから。

 彼女が倒れたとき、私は膝の治療に行くために歩いていた。ご近所のフィットネスクラブで倒れたのだが、救急車のサイレンが聞こえていた。それが彼女を運んでいるものとは知らなかった。治療の後、地区センターに寄って「川柳」の本を読んでいた。家に着くと若い女性(フィットネスクラブの職員)が立っていて、家内が倒れて、病院に運ばれていることを告げてくれた。彼女は私が驚かないことに不満の様子だった。

 私は家の中に入って、現金をポケットに詰め込んで、病院に急いだ。