山手通りを二足歩行

 東京に来て36年になる。その前は岐阜に2年、金沢に6年居た。大阪で生まれ19年居て、後は旅の日々。

 金沢に居たのは昭和42・1967年7月から昭和48・1973年2月まで。金沢は戦災に合って居なかったので、江戸時代の家並みと家、それと生活習慣が残っていた。主婦は皆、和服だった。

 戸別訪問という活動だったので石川県全域を廻った。金沢の人にその話をすると「私よりも詳しいね」と感心された。

 東京に来て、江戸文化は金沢を手本にして整備されたことが分かる。江戸は東京になって、震災と空襲で破壊されてしまった。

 大阪を出て、44年文字通り二足歩行を続けてきた。椎名林檎の歌の一節に「夜明けの山手通り・・・」とあって、自転車で走り回って居た頃を思い出す。

 東京の街を二足歩行してみて、後藤新平の悔しさが分かる。