預言者・シェイクスピア

 福田恒存の本は高校時代から読んでいる。面白いのだが、何か、物足りない。最近、彼の翻訳の「マクベス」を読んだ。彼はあくまでもシェイクスピアをお芝居の戯作者というとらえ方をしている。

 彼の立場からはそれは当然のことだろう。しかし、歴史と対応させると、シェイクスピア預言者になっている。マクベスが近未来に登場した清教徒革命の指導者としたら?

 多分にこじつけであるが、その後のアメリカの登場、マクベスの末裔としての合衆国という認識、これが9・11から9年目に気が付いた点である。